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気高き孤高の華
虚勢を張った心を隠して
愛を知らないお前
何時しか愛しい存在

荒れて穏やかな海
焦がれた太陽の様に眩しい
愛などと囁く貴様は
何時からか愛しい存在

交わるはずなどないと
好いてはいなかったはずだ
愛を知った瞬間に
永遠を誓う愛しい存在



いとも簡単に
壊してしまいそうなほどに

細くて華奢な腕だった


その手は僕を掴む

僕も掴んだはずだけど



廻る 廻る
炎が燃える様に

哀しみの唄を燈しながら

深く 深く
漆黒の水底の様に

愛を紡ぐことすら知らず



貴方が微笑んだ
私が見た最初で最期の姿

貴方が言った言葉
繋いだ絆が切られて

もう、元に戻るコトは無いのだと


― サ ヨ ナ ラ ―



光差す場所

温かな調べで踊る妖精達


白き薔薇が囲む

硝子の棺に眠るは愛しき姫



漆黒に染まる黄昏
戦に火を灯して

暗黒に染まる宵闇
戦が禍を喚んだ

緋色に染まる朝焼け
幾千の屍体に零れた涙
屍体に緋色の華が咲く

一羽の鴉が哭いた
貴女の口唇が紡ぐ
愛しい声に温もりを孕ませながら

愛らしい瞳が笑う
きらきら、と華やかに

小さな身体が震える
彼を喪った哀しみを抱きながら
燃え上がる焔
貴方が愛した世界を埋め尽くす

何て綺麗な紅
貴方が流した色とこの色は似ている

何時か私を彩る紅
君の世界を彩るのが
僕であったなら

僕は全力で
君を護る、と誓うのに

君の世界は違った


さよなら、
愛した唯一の君
讃美歌を
紡ぎたいわけじゃなく

ただ
神様―あなた―に会いたいだけ
少しだけ此処で
僕らは立ち止まってるんじゃなくて

少し、休んで
また歩き出すんだよ
何処で君と違えてしまったのだろうか、
繋いだ手と手を離さずにいたかった

どうして、 君は僕の腕の中で未来永劫眠っているのだろうか
振り解く手 振り解かれた手
愛してる、 その想いは変わらぬ永遠

もう 一度  其の手に触れた
されど 叶わぬ夢を散り逝く想い

さよなら、の 終焉の約束をしよう
虚ろな心で 踊らされて 
神との遊戯に、(心まで侵されて)

一片の理性さえ、奪われて


何もかも 忘却の彼方へ
神との遊戯に、(記憶さえ蝕まれて)

総て 神 の 哀 し み に 溶けて逝く
道化師の孤独
呼応する神の哀しみ

伸ばしても 届かない心
偽りの世界で 霞む願い

二人 共に 歩けたなら、
( もう 寂しくないよね、 )